ひふみ投信藤野英人氏も子どもから学ぶ?『投資家がパパとママに伝えたい たいせつなお金のはなし』【書評要約】
投資信託「ひふみ」シリーズの運用責任者である、藤野英人氏最新書籍が2023年2月22日発売されました。
全200ページ以内の内容で、数時間で読めるくらいの量ですが、とても考えさせられる書籍でした。
冒頭で、早速この本の意図が書かれていました。
この本は、子どもにマネーの知識を”教える”ための本ではありません。子どもと一緒に、大人も学んでいくための本です。
引用元:投資家がパパとママに伝えたい たいせつなお金のはなし P3より
「学習指導要領」の改訂を受け、小学校では2020年度から金融教育が開始し、中学校は2021年度から、高校は2022年度から金融教育がスタートしました。
では、大人は金融教育を受けてきたのでしょうか。
金融・経済・商業系の学校を卒業したり、事業家で子どもの金融教育に熱心な家庭で育った方は当然教育を受けてきたことでしょう。
しかし、大多数の大人はまともに金融教育は受けて無いと言えます。
日本人の多くが持つお金に対するイメージは『お金儲けは汚い』『お金は汗水たらして働いて稼ぐ』『投資はギャンブル』といった環境で育ってきたのではないでしょうか。
私も、一般的な自営業を営んでいる家庭で育ち、お金について親から教えられたことはありませんでした。
むしろ、家庭内でお金の話をすることは良しとされない風潮で、家計の状況なんか聞いたら『そんなことは知る必要が無い!』と怒られる始末。
しかし、時代は変わり、現代社会では一向に増えない給料、長いデフレで日本企業は衰退、老後2000万円問題を発端とした老後不安、少子化。
しっかりとしたお金の知識を身につけないかぎりた私たち親世代はもとより子ども達は幸せに暮らせない日本になっています。
この本を読むことで、以下の事がわかります。
書籍のポイント
- 子どもの金融教育の前にまずは親が学ぶべき
- 子どもから学ぶことで親(大人)も成長できる
- 小学生で起業したレウォン社長から学べる
- 藤野さん積極的に若い人と関わり、考え方をアップデートしている
- 実の娘には背中で語る
書籍の概要
本書籍は以下の3章で構成された内容でした。
- 子どもの目線から学ぼう!
- 小学生で起業したレウォン社長から学ぶ
- 娘・菜々歩に聞く投資家がわが子に伝えてきたこと
第1章は子どもと藤野さんとの対話形式でお金について語ります
今の子どもたちは、デジタルネイティブ世代です。生まれた時からスマートフォンがあり、電子マネーは当たり前。親世代はというと、もしかしたら電子マネーにも二の足踏んでいる方もいるかもしれません。
私たち親世代の凝り固まったマインドセットを変えるには、子供たちと一緒に考えて学ぶことがとても大切だということです。
書籍で対談している子どもたちの質問の一部を紹介します。
こうしろう お年玉を貯めるときって、銀行に預けたほうがいいの?
藤野 銀行に預けることにはどんな意味があるのかな?
こうしろう 何の意味があるんだろう?「イチかバチか」みたいな意味?
・・・
こうしろう みずほ銀行はよくテレビで見るから。なんか壊れたってしょっちゅう言っている。
引用元:投資家がパパとママに伝えたい たいせつなお金のはなし P103より
何気なく銀行に預けているお金。大人は子どもたちに上手に説明することができるでしょうか?
私は自身がありません。「おかね名人」の藤野さんは子どもたちの疑問や質問に対して上手に誘導しながら一緒に考え対談しています。
そして子供たちは大人の行動やニュースや世間の事をよく見ています。子どもたちに恥ずかしくない行動とお金について考えていく必要があると改めて感じさせられました。
第2章は上司のレウォンさんと部下の藤野さんの44歳差対談
藤野さんと第2章で対談しているレウォンさんは、小学生の時に起業した起業家です。
12歳の時に自身が感じたモヤモヤやイライラを発見探求することで社会問題の解決を目指すpolarewonという会社を立ち上げました。
レウォンさんは「スタートアップJr.アワード2020」という若い起業家のプレゼン大会にて、堀江貴文さんことホリエモンから、「今まで何千ものプレゼンを見てきたがレウォンさんのプレゼンが圧倒的ナンバーワン。」と言わしめた方です。
「子供に教える」ではなく「子どもから教わる」
「おかね名人」藤野さんはそんなスーパー中学生起業家の部下になったそうです。部下になった経緯やなぜ藤野さんや他の経営者の方々はレウォンさんに惹かれるのかなど対談形式で書かれていました。
私が感じたことは、「おかね名人」藤野さんであってしても子どもたちから本気で学ぼうと思い行動していることの凄さを感じました。
対談内では、藤野さんとレウォンさん出会い、レウォンさんの部下になった動機、レウォンさんの大人と一緒に楽しみながら仕事をしている様子などが書かれております。
ひふみアニュアルミーティング2022のイベント会場でお見かけし、名刺をいただきました
2022年12月にひふみアニュアルミーティング(年次報告会)が東京国際フォーラムにて開催されました。
私も一番乗りで会場に足を運んだところ、開場よりも早く着きすぎて入口で待っていました。スタッフの方が気を利かせていただき、藤野さんとレウォンさんと名刺交換させて頂くことができました。
一瞬のご挨拶だけだったのですが、お二人とも共通して「陽のオーラ」をすごく感じました。ニコニコ希望に満ちた目をしていたのがとても印象的でした。
ひふみアニュアルミーティングの体験レポートは以下の記事より見ることができます。興味があればぜひ見て下さい。
イラストレーションは小学生で起業したレウォン社長が担当
書籍に度々出てくるイラストはレウォンさんが担当しています。シンプルですがとても味のあるイラストで、めちゃくちゃ可愛いです。
彼のイラストは、自社のホームぺージ内でも発揮されており、企業理念、メンバー紹介内での似顔絵、商品イラスト、プレゼン資料で活用されていて手作り感満載の暖かみあるイラストとなっています。
一流の大人との出会いと仕事を一緒に取り組むことで今後さらに成長する可能性がありますので楽しみにしたいと思います。
レウォンさんのホームページは以下のリンクよりアクセスできます。
第3章は娘・菜々歩さんとの対談
藤野さんには菜々歩さんという可愛らしいお名前の一人娘がおります。投資家と子どものお金についての教育ってとても興味ありませんか?
第3章では、藤野さんと菜々歩さんとの対談形式で親子トークしております。
詳しい内容は書籍を手に取って読んでいただきたいのですが、私が一番感じたこととして
「親の背中を見て子は育つ」
このことわざの一言につきるのかなと。
お二方ともとても自然体で対談しており、普段から仲の良さがにじみ出ている対談でした。
菜々歩さんがレオス・キャピタルワークスに在籍していた時、副社長でひふみワールドファンドマネージャーの湯浅さんとのオンライン座談会でも親子関係について語られています。
座談会の様子は以下の記事で見る事が出来ます。
わが家の子どもの金融教育実践例3選ご紹介
私が「お金」について学んでいくうちに、子ども達にも学ばせたい。一緒に学んでいきたいという想いが湧いてきました。これまで実践してきた一部を紹介します。
毎月の家計簿報告会を子供たちと一緒に実施
今YouTubeで、年間貯蓄率が20%以上の家庭は有料家計ですって紹介されていたけど、うちは20%以上だから優良家計なの?
ある日、娘のマリンちゃんからこんな質問をされました。毎月家族会議を開催し家計簿や資産について考える時間を設けていたため、ある程度年間の貯蓄率を覚えていたのでしょう。
一般的には優良家計かもね。パパとママが一生懸命働いてお給料をもらっているから今は貯蓄率を高く維持できるけど、もしもに備えてと君たちの教育費として貯めているので無駄遣いをせずに頑張っているんだ。
マリンちゃんも色々協力してくれているから、お金を使うときは一緒に考えて楽しいことに使おうね。
わかった。協力する!
気付いてくれることはうれしいのですが、本人は結構浪費家です。
3年で計画的に使う様に渡した入学祝い数万円を9ヶ月で使い切ってしまいました。結構使っているなと思い見ていましたが完全に私の確認不足でした。
大人も子どもも計画的にお金を使うことの難しさを学びました。失敗や浪費してからこそ得るものもあると思いますので娘の今後の『お金の使い方』見届けたいと思います。
息子、ジュニアNISAで任天堂の株を買ってみる
2023年に家族や親せきから頂いたお年玉の一部で、息子が任天堂の株を買ってみました。なぜ任天堂の株を買ったかは以下の理由です。
これからゼルダの追加も出るし、星のカービーの新作も出るし、任天堂これからも絶対成長するっしょ!
娘のお小遣いをPayPayで渡すことにしました
2022年3月から娘のお小遣いをPayPayで渡すことにしました。
デジタルネイティブ世代で、生まれた時からスマートフォンの存在が当たり前の子どもたちなので、特に抵抗もなく受け入れてくれるました。
親と子どちらにも以下のようなメリットがあると感じており現在でも継続しています。
- 小銭探す手間要らず
- 家族間の送金が楽
- 現金必要時はお年玉から捻出
- デジタル化に慣れることができる
- PayPayボーナスでポイント還元
- キャンペーンの再家族総出で享受できる
YouTube『お金のまなびば!』でも子どもと一緒に学ぶ番組があります
子どもたちのお金に対する素朴な疑問に、おかね名人の藤野英人さんとスピードワゴンの小沢さんが答えていく番組です。
大人が常識だと思っていることは子供達には?なことが多いのです。そして実際に質問されると上手に答えることは出来ないはず。
藤野さんのわかりやすい回答と、小沢さんのウイットに富んだ回答が絶妙に相まって楽しく学ぶことができます。
大人も一緒にお金の事が学べる優良コンテンツになっていますので、ぜひ親子で一緒に見て下さい。
ちなみに、わが家では、藤野英人さんの名はこの番組を見てから『おかね名人』で呼ぶようになりました。
まとめ:「お金のはなし」子どもから学び子どもと一緒に生活の中で考えていきましょう!
- 子どもの金融教育の前にまずは親が学ぶべき
- 子どもから学ぶことで親(大人)も成長できる
- 小学生で起業したレウォン社長から学べる
- 藤野さん積極的に若い人と関わり、考え方をアップデートしている
- 実の娘には背中で語る
特に子育て世代のご家庭の方にはぜひ読んでいただきたい本です。本を読んだらまずは子どもと「お金」について話し合ってみてください。
きっと何かの気付きがあり、そして子育て世代での悩み事の大部分を占めるであろう「お金」の問題を少しでもクリアにできるきっかけになるかもしれません。
私は日々子育て世代の資産形成というブログで家計簿や資産を公開しておりますが、子ども達から学ぶことも多いですし、自身も勉強真っただ中です。
家族が幸せになる為に子育て世代のパパとママ、子どもに胸張って背中を見せることができる様に一緒にがんばりましょう。
※本記事は、特定の銘柄や投資方法を推奨するものではございません。くれぐれも投資は自己責任・自己判断でおねがいいたします。