新NISAでインフレ時代を生き抜く!藤野英人著『日経平均10万円時代が来る!』徹底レビュー
本記事を読んで頂いているあなたは、投資と聞いて何を思い浮かべますか?かつて私も、投資とは難解なチャートや複雑な金融商品の世界だと思っていました。
しかし、2024年新NISAの始まりと共に、私たち一般人にも投資の門戸が広がりました。
これは、日本政府からの明確なメッセージです。将来の資産形成は、年金や退職金に頼るのではなく、個々の自己責任で行うべきだということ。
この変化は、投資初心者にとって新たな機会をもたらす一方で、株式市場の複雑さを理解せずに投資を始めるリスクも伴います。
そこで重要なのが、今後の未来をどのように予測し日々を懸命に生きていくかになります。
投資歴30年以上で1兆円以上の運用残高を誇る日本の投資運用会社レオス・キャピタルワークス社長藤野英人さんの「日経平均10万円」時代が来る!では、単なる市場分析を超え、私たちが今後直面するインフレ時代をどのように生き抜くか、具体的な戦略を提供してくれます。
皆が将来に不安を感じる中で、この書籍は不安を取り除き、ワクワクするような未来を描くための羅針盤となります。
この記事でわかること
- 本の概要を掴むことができます
- 新NISA開が始まり日本市場の今後の展望を知ることができます
- 将来に対して前向きに考えることができます
書籍の概要
はじめに、本書の概要をお伝えします。
投資信託「ひふみ」シリーズとして有名な資産運用総額1兆円以上の運用している企業の代表取締役社長兼最高投資責任者である藤野英人さんが日本経済新聞出版より、2024年1月6日に発刊した書籍です。
あらすじ
初めに本書のあらすじをお伝えします。
- 第1章:海外投資家が日本株を買っている理由
- 第2章:日経平均は10年後に10万円を超えている
- 第3章:生成AIの本格普及が「運用のあり方」を変える
- 第4章:「10年後」をつくる銘柄はこれだ
- 第5章:10年後を「みんな」で考える理由
どうですか?目次を見るだけでもワクワクして内容が気になりませんか?
日経平均が2024年1月10日現在の3万4千441円から10万円になるという予測を軸にした、グローバル経済、日本経済、日本企業の変革と今後の先行きを盛り込んだ内容で、個人としてどのような考えで生きて行けば良いかという内容も含まれています。
投資信託「ひふみ」シリーズの運用責任者ですから、インフレ時代への転換期として新たな投資方針をひふみは打ち出しました。
その名も、ひふみ目論見俱楽部です。
常に、10年の長期的な目線で世の中をとらえ企業を選定するという運用方針で、本書籍はひふみ目論見俱楽部の運用方針を一段階解像度上げた内容になっていました。
おすすめポイント4つ
私が読んでみて、特に購読をおススメしたいポイントを3つ紹介したいと思います。
ポイント1:経済・株式の資料やレポートやデータといったエビデンスを基に構成されたインフレ予測の書籍
本書の序盤である1章~2章では、
- 第1章:海外投資家が日本株を買っている理由
- 第2章:日経平均は10年後に10万円を超えている
について書いてありましたが、読んでいて驚いたのは図表がとても多く、しっかりとしたエビデンスを持って丁寧に説明されている点でした。
特に、10年前に経済産業省が発表した「伊藤レポート」については詳細に記載されており、過去に2015年に発刊された「日本株は、バブルではない」からの繋がりがあり、まるで10年前の答え合わせをしている気分になりました。
以下の記事で書籍「日本株は、バブルではない」についてレビューしています。過去を振り返り現在と未来を予測することも中々楽しいですよ。
ポイント2:日経平均10万円超えに必要な3つの要素はインフレの進展と・・・
日経平均が10万円。それには2024年1月時点の株価から考えると実に3倍になる必要があります。
達成するために必要なことは3つあり、その内の一つがインフレ時代への進展を挙げていました。
今から約30年前、日本は不動産バブルの中にあり、激しいインフレの世の中でした。その時の日経平均は38,915円です。
その後、バブル崩壊し、日経平均は7千円台まで落ち込みました。
デフレ環境下でようやく3万円台まで回復したという事は、これからインフレへ転換した場合の株価は上がる可能性が高い事を示唆しています。
日経平均10万円を達成するにはあと2つの要素が必要だと藤野さんは考えていました。
その内容は、本書を実際に手にして確認してみて下さい。
ポイント3:新NISA「投資をするかしないかは自己責任」の時代
では、今後起こるべくして起こるインフレ時代に私たちはどのように対応すれば良いのでしょうか。
一つは自己資本を高めること、もう一つは現金→アセット(資産)を持つ事です。
一般的にはインフレになると現金の価値が下がり物の価値は上がるとされています。株式や債券などのペーパーアセットや不動産や金や宝飾品などの実物アセットの価値が高まります。
日本政府も私たち国民に対して「貯蓄から投資へ」を促すための投資の運用益に対して非課税にする枠組みを用意してくれました。その制度は新NISAと言われています。
新NISAの制度概要は以下のとおりです。
投資枠が増えたこと、機関が恒久化したことで、「小さく、ゆっくり、長く」投資できる環境が整いました。
今までは、「投資をするなら自己責任で」と言われていましたが、これからは、「投資をするかしないかは自己責任で」と言って良いと藤野さんは書籍で言っていました。
わたしもその通りだと思い、早速つみたて設定しました。
ポイント4:特定の銘柄についての解説有り、銘柄を分析する考え方を理解できる
一般的に、銘柄選定は短期長期的な視点でも変わりますし、分析手法(ファンダメンタルズ・テクニカル)でも変わります。
本書では、特定の固有銘柄が数企業紹介されておりますが、決してその企業の買いを推奨しているわけではありません。
今後成長できる企業とはどんな特徴がありどのような企業活動を行っているのかを分析し考える事で、私たち自身が務めている自社に対しての考え方、また自身で銘柄選定する場合の参考になるような内容が書かれております。
本書に書いてあった一企業を抜粋しますが、化学調味料でお馴染みの味の素株式会社の良さを藤野さんは「本質的な真面目さ」と「純粋さ」と言及していました。
味の素は、アミノサイエンス®という造語を作り、アミノ酸に対する熱い拘りがあり、1アミノ酸で社会貢献を図ろうとしています。
ASV経営(Ajinomoto Group Creating Shared Value)
事業を通じた社会課題の解決による社会貢献と経済価値の創出
そしてその経済価値創出の目線は、ASV経営という指針に基づいて常に10年目線だそうです。
味の素に関しての詳しい詳細は以下のひふみ2023年次報告会記事でまとめています。
報告会で実際に味の素の藤江社長が登壇され、アミノ酸に対して熱く語られている光景を目前にし、経営陣の熱量を直に感じることが出来たのは良い経験でした。
経営陣はもとより、従業員も同じ志を持ち社会課題の解決に向かう事は、今後何十倍ものリターンを生む可能性を秘めている。そんな日本企業が大企業からも現れているという一例でした。
まとめ
明るい未来は自身で考え行動し切り開くものです。新NISAを生かすも殺すも自分次第。
生成AIの台頭、世界から見た日本の立ち位置、働き方の変化、少子高齢化、様々な事を意識しつつ、これからやってくるであろうインフレ時代を生き残る為にしっかりと備え考え行動していきましょう。
そして、そのヒントがたくさん詰まっている本書籍は多くの日本の方に読んで頂きたい書籍であることは間違いありません。
※本記事は、特定の銘柄や投資方法を推奨するものではございません。くれぐれも投資は自己責任・自己判断でおねがいいたします。