新NISA開始前に知ってもらいたい3つのポイント「お金の基本について藤野英人先生に聞いてみた」レビュー
2024年1月より新NISAが始まります。最近ではテレビや雑誌でも取り上げられ、街中でも非常に話題になっていますね。
今まで投資に興味が無かった方も、やってみようと思っているのではないでしょうか。
しかし、勉強や準備をせずに始めると、株式市場の値動きに慣れずに直ぐに売却してしまう可能性もあります。
そしてこれからの未来ある子ども達にはお金の正しい知識を身につけてもらわないと今後のインフレ時代では生き残ることが出来ません。
そこで、今回紹介する本は、投資歴30年以上で1兆円以上の運用残高を誇る日本の投資運用会社レオス・キャピタルワークス社長藤野英人先生監修の「お金」の正しい知識を学べる本です。
タイトルは『どうしたら貯められますか?将来の不安がなくなりますか?お金の基本について藤野英人先生に聞いてみた』です。
ずばり、この本を読むことで、「どうしたら貯められますか?」「将来の不安がなくなりますか?」といった悩みに対する解決のヒントを得ることができます。
一家に一冊、「お金」の教科書として本棚に置いておきたい本です。
この記事でわかること
- 本の概要を掴むことができます
- 新NISA開始前に「お金の本質」を知り正しい運用を始めることができます
- 将来に対して前向きに考えることができます
書籍の概要
はじめに、書籍の概要をお伝えします。
今回紹介する本は、株式会社Gakkenが、「○○先生に聞いてみた」として発行している人気シリーズの本で、「知らないではすまされない日本国憲法について池上彰先生に聞いてみた」や「新聞・テレビ・ネットではわからない日本経済について高橋洋一先生に聞いてみた」などがあります。
「どうしたら貯められますか?将来の不安がなくなりますか?お金の基本について藤野英人先生に聞いてみた」
著名な先生が誰にでも分かりやすくかみ砕いて解説しているところが人気です。
本書籍は藤野さんが、監修といった形で関わっています。
また、過去に藤野さんが出した本を参考文献にしているため、藤野さんが考える「お金」の総まとめ的な本です。
参考にしている文献は以下のとおりです。
- 『お金を話そう。』藤野英人/弘文堂
- 『さらば、GG資本主義』藤野英人/光文社新書
- 『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』藤野英人/マガジンハウス
- 『人生100年時代のらくちん投資』中野晴啓・渋澤健・藤野英人/日経ビジネス人文庫
- 『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人/星海社新書
- 『投資家みたいに生きろ』藤野英人/ダイヤモンド社
- 『投資バカの思考法』藤野英人/SBクリエイティブ
- 『投資レジェンドが教えるヤバい会社』藤野英人/日経ビジネス人文庫
- 『ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義』藤野英人/PHPビジネス新書
過去に藤野さんが出版した本については以下の記事でまとめています。
あらすじ
「お金」に関する事を、分かりやすく多角的にQ&A方式で学ぶことが出来る本なので、これから投資を初めて見ようと思っている方や「お金」の知識を身に着けたいと思っているお子様に適した本です。
あまり難しい言葉も使われてないこと、お金稼ぎだけが投資や仕事では無いことなど本質的なことを学ぶことが出来ます。
内容はイントロダクションを含めて9つの章に分かれています。
- introduction:9割の人が知らないお金の正体
- 第1章:お金って何のために必要なんですか?
- 第2章:貯める前に、まずは正しい使い方を知ろう
- 第3章:お金を手にするために知っておきたい仕事のこと
- 第4章:明るい未来をつくる教養としての「投資」
- 第5章:お金を育てる「投資」を始めてみよう
- 第6章:知っておきたいお金の現在と未来
各章を順番に読んでいくことで、お金の始まりを知り、お金の正しい使い方を知り、仕事を通して経済を知る。
そして「投資」という、エネルギーを投入して未来からお返しをいただくことを理解することで、新NISAをこれから始めようと思っている、もしくは新NISAを始めたばかりで不安に感じているあなたはきっと明るい未来を創造することができるでしょう。
老若男女問わず一家に一冊置いておきたい読みやすいお金の教科書
初めに、この本がお金の基本的な教科書になる理由を何点か挙げます。
- Q&A方式で、読者の悩みを直接解決できる
- 重要な点にマーカーされている
- 挿絵が豊富
- 巻末に索引がついている
- 藤野さんらしい秀逸なたとえが腑に落ちやすい
初見は、とにかく読みやすく理解しやすい内容だったということです。
Q&A方式なので読者の疑問に感じていることに対して回答しているので
重要な点にはしっかりマーカーされていますし、挿絵も豊富。巻末には索引もついていました。
パラパラめくりながら読んでも重要なポイントが目に付くので、子供から大人までお金の入門的な教科書として家のリビングにおいておけば、自然と手に取ってみてくれるのではないでしょうか。
たとえも秀逸で、P132では、これから投資を始めようと思っている方に「桐の木」の話をするそうです。
本にも書かれていましたが、日本人は「お金」に対してあまり良いイメージを持っていません。
それは江戸時代の「清貧の思想」に対する間違った解釈が根付いてきたからだと藤野さんは考えています。
【正】私欲がなく豊かに暮らす→【誤】豊かになることは汚れることだ
そんな間違った解釈を今後も日本に根付いて欲しくないと私も思い、少しずつ家族や友人や知人と「お金」や「資産形成」について話すようになりました。
そんな輪がいたるところに広まっていけばきっと個人資産が2000兆円以上ある日本は投資立国としてまた世界に影響を与えることができる国になるのではないでしょうか。
新NISA開始前に知っておきたい注目ポイント3つ
私が読んでみて特に購読をおススメしたいポイントを3つ紹介したいと思います。
ポイント1:お金に色は無い全ては使い方次第
お金には3つの機能があります。「価値交換機能」「価値尺度機能」「価値保存機能」です。
お金は元々物々交換の不便さを補う手段として貨幣が生まれ、ただの紙切れと合金でしかありません。
なので、お金そのものは無色透明な水のようなものです。そこに人や企業の考えや欲が入り込むとそのお金はその人の色に染まっていきます。
日本人は周りがやり始めると、同町圧力から一気にやり始める傾向にあります。新NISAもおそらくそうなるであろうと推測され、企業側もガンガンあおってくるでしょう。
新NISAで投資を始める前に改めて何のために新NISAを始めるのか一度考えることがとても重要です。
そのお金の消費や浪費には自信のどんな意思があるのか、投資にはどんな目的があるのかを考えるためのヒントや道しるべがこの本には書いています。
ポイント2:投資は主体性が重要!主体的になれば未来が変わる
冒頭で投資とは、エネルギーを投入して未来からお返しをいただくこととお伝えしましたが、ではエネルギーとは何なのか気になりますよね。
本書では、エネルギー=主体性×時間×お金×決断×運の五大要素と提唱しています。
そこで一番核になる要素は主体性になります。自分がすべきこと、やりたいこと、他者の意見や環境に惑わされず主体的に考えられるか。
そこから、時間、お金の投じ方を決断し、あとは時流や運に任せることが最善策であると藤野さんは本書で述べていました。
私は、本格的に投資を始めてまだ3年程度しかたっていません。当然最初はYouTubeやブログなどを参考に始めましたが、徐々に自分なりの主体性が出てきました。
他者の意見に惑わされず、自身がおかれた環境や価値観や性格を客観的に考えて投資活動を行ってきた結果現在に至っており、とても満足のいく生活を送っています。
そこには、資産額が多いとか少ないとかではなくいかに自身が主体的に取り組み行動することができたかで満足度が変わると思いました。
そしてあとは運に任せるしかありません。運が悪い時もあるかもしれませんが、それは結果であり、しょうがないと割り切れるくらいのマインドになる方が気楽に生きられる気がします。
ポイント3:新NISAやiDeCoは手段であり目的ではない
新NISAやiDeCoの制度については6ページ程度しか記載がありませんが簡潔に要点をまとめられておりとても分かりやすいです。
どの制度に資金を投入するかについては正直個々の置かれている状況によるため一概に新NISAが良いとは言えません。
企業型DC、iDeCo、新NISA、税制優遇がある制度は一つではなく、所得や働き方、目的によって資金を投じる枠が変わります。
例えば、退職金がない方で所得控除も受けることができ、かつ定年時の退職金控除を最大限活用できて、老後資金が目的ならばiDeCoを最優先で埋めるべきですし、企業型DCでマッチング拠出できるのであれば、税制優遇を受けることができます。
一度フラットな目線でご自身の家計や目的を考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ:お金について体系的に学べ、新NISAが始まる前に読んでほしい良書
- 「投資」とはエネルギーを投入して未来からお返しをいただくこと
- 「エネルギー=主体性×時間×お金×決断×運」まずは主体性を
- 日本の未来は明るいと信じる人を一人でも増やせば未来は好転する
青臭い事ばかり言っているかもしれませんが、熱い想は人々を魅了しとてつもない力になることを私たちは目の当たりにしてきたことはたくさんありますよね。
これから投資を始める人も既に始めているひとも「日本の未来は明るいと信じてもらいたい」という藤野さんの願いが込められた教科書でした。